GUN & ZOMBIE & MURDER & HERO

銃、ゾンビ、殺人鬼、ヒーローがいれば人生はバラ色

12年越しの『トップをねらえ!2』

 2004年にOVA第1巻が発売されているので実に12年越しの視聴である。

 

トップをねらえ2! Blu-ray Box

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さてこの作品、1988年に同じくOVAとして製作された『トップをねらえ!』の直接の続編である。

 

トップをねらえ! Blu-ray Box

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トップをねらえ!』は私なんかが語るべくも無くSF作品としても超一流、アニメ作品としても超一流であり、あの『エヴァ』を作ったガイナックスがその明瞭期に満を持して発表した間違いなく日本のアニメ史に残る一本だ。

私自身、初めて『トップをねらえ!』を観たのは中学生の頃でそのSF設定の綿密さと、ガンバスターの規格外なスケール感(作中でバンバン撃ってるバスタービームがマイナス一億度の冷凍光線とかw)、そして大事な人のために戦えば戦うほど一般相対性理論の作用によって同じ時間の流れを生きられないというドラマに完全ノックアウトされてしまった。

それ以降『カウボーイビバップ』に出会うまで私の好きなアニメベスト1に君臨し続けた大切な作品である。(ちなみに現在『トップ~』は2位で『逆襲のシャア』が3位になる)

それほど大好きな作品の続編をなぜ12年放置していたか。理由はいろいろあった。

実は私自身、第一話が発売された時点ですぐに視聴していた。当時、アニメ雑誌等をあまり読まなかった私に事前情報はほとんど無く、『エヴァ』の貞本さんがキャラデザをしていて正式な『トップ~』の続編であるということしか知らなかった。

しかしあの作品の続編だ。きっと最高の作品に違いない!そう確信して第一話を視聴したのだが、30分後激しく私は後悔していた。

まず『トップ2』の世界でまだ人類は宇宙怪獣と戦い続けていた。前作で人類があれだけの犠牲を払って戦ったのはなんだったんだ!?

さらに恐らく主人公であろうノノが「胸をはだけさせながら」イナズマキックを放つ、バスターマシンとは似ても似つかないデザインの「ディスヌフ」がバスタービームを放つ、30分に詰め込まれた全ての要素が私の「トップ愛」を逆撫でしていた。 

というわけで私は『トップ2』を完全に無視することに決めた。色々言いたいこともあったが、それが一番いいことのように思えたのだ。

しかし憎悪さえ通り越して無かったことにしていた『トップ2』をなぜ今更全話視聴したのか。それは スパロボZに参戦してストーリーを少しだけ知ったこと(天獄編をまだやってないので全部は知らなかったが)、そして某所で熱心な『トップ~』ファンの方が2も絶対に観た方がいいと布教されていたからだ。

そして全話視聴したのだが、いや本当に関係者各位の皆様に土下座して回りたいほど衝撃で、最終話の後半はずっと泣きっぱなしであった。

ネタバレになるので詳しい話は省こうと思うが、ノリコとカズミが守った時間をノノとラルクもまた守ってくれたのだ。それがわかった時、狭い価値観で物事を計ってしまった自分の未熟さを恥じた。

きっと『トップ~』は大好きだけど『トップ2』を敬遠している人は多いだろう。

しかし私は声を大にして言いたい。『トップ~』の「オカエリナサイ」に感動したあなたならきっと『トップ2』も大好きになるはずだ。

どうか全ての偏見を捨てて視聴してほしい。

きっと『トップをねらえ!』をはじめて視聴した時と同じ位の感動が『トップをねらえ!2』でも味わえるだろう。