映画『ディセント』
冒険好きの六人組の女性が、ある事件で塞ぎ込んでいたメンバーの一人を元気づけるために洞窟探検を企画する。最初は、いつもと同じ楽しい冒険になるはずだったが・・・・・・!?
序盤、最近はあまり見なくなったお化け屋敷系の観客をビックリさせる演出で怖がらせ、結果として洞窟に進んでからは特に何もないところでも観客は身構えてしまう。言わば恐怖のスパイラルに観客は陥る。最近のホラーでここまでできるのは珍しいのではないだろうか。
後半からは少々味付けが変わり、正体不明のモンスターから戦いながら逃げるモンスター物になるが、ただそれだけでは終わらずサイコホラーの要素も少しながら味付けに加えられてゆく。そして、あの救いようのないエンディング・・・・・・。最後でぶち壊しになるホラーが結構ある中、あのエンディングは良かった。
最近のこの手のホラー映画は中途半端な物が多く、いささか食傷気味だったのだが・・・・・・これは違った。
しかし、なんといってもこの映画最高の魅力は、「洞窟の中の閉鎖感」を再現しているところだろう。登場人物達は体がぎりぎり通るくらい狭い洞窟の中をはいずりながら進んでゆく。このシーンをみているだけで息がつまりそうになってくる。私自身、映画を見終わってこれを書いている今でも、なんとなく息が苦しく、気持ち悪い。この感覚は並みの映画では味わえるものではない。
映画『ブレインデッド』
キチガイピーター・ジャクソンの初期作品!
『ロードオブザリング』シリーズの世界的なヒットで一躍脚光を浴びたピーター・ジャクソン監督の初期作品。ラットマウスとかいうサルの妖怪みたいな化け物に噛まれるとゾンビになる話です。
私は予備知識なしでこの映画を観たので『悪魔のいけにえ』のような陰湿なホラーだろうと思っていましたが、オープニングの腕を切られるシーンで「あ、これはコメディなんだ」と気がつきました。
そこからは悪ノリ全開です。キャラクターもキレた人間ばかりで、ゾンビになった母親の面倒をかいがいしく見るマザコン主人公や、占いを鵜呑みにする少し危ないヒロイン、何故かカンフーの達人な神父などが登場します。
そして何よりクライマックスのゾンビ大虐殺シーン!!マザコンを怒らせるとあんなに怖いんですね(汗
最後の巨大化ママの造形には爆笑せざるおえませんでした。
しかしこのレンタル版ジャケットから正しい内容を想像できた人はいたんだろうか。
これはホラーコメディには見えねえよ。
映画『300 スリーハンドレッド』
ディス・イズ・スパルタ!!!!!
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定期的に観直したくなる超快作。
既に10回以上観直しているがまた観てしまった!
古代ギリシアに存在した都市国家「スパルタ」と当時最大の勢力を誇っていたペルシアがぶつかり合った「テルモピュライの戦い」を映像化した作品。
監督は大胆に名作『ゾンビ』をリメイクした『ドーンオブザデッド』で一躍脚光を浴びたザック・スナイダー、原作は『シン・シティ』で個人的に私の心を揺さぶってくれたフランク・ミラー。原作、監督共に名作を作ってくれそうな気がしていたが、正に名作!!
とにかく戦のシーンが美しい。この映画の魅力はこれに尽きる。スパルタ兵の鍛え上げられた肉体、容赦なくペルシア兵を襲う剣と槍、そしてほとばしる鮮血と体のパーツ。
仮に映像を一枚切り取ったならば、それはまるで巨匠の絵画に匹敵する美しさだろう。
さらに、その美しさ故に剣で切られた、槍で突かれた、弓で射られた痛みが明確に伝わってくる。
これも映画作りにCGが台頭してきたお陰だろう。CGのことをやたらめったら批判する人が世の中にはいるが、CGの恩恵を受けた作品も世の中には多数あるということをわかってもらいたいものだ。
こまごました丁寧な演出のお陰で、あそこまで戦上手なスパルタ人がただ戦の強い野蛮な人種ではないということも印象に強い。彼らが争いという手段を用いるのはあくまで最後の手段なのだろう。
この映画は女人禁制、男の映画だ。
いや、もちろん女性の方にも観てもらいたいが(笑)
セルジオレオーネに土下座『ウエスタン』
昔々西部のどこかで……
レオーネといえば今更語ることもないほどの巨匠である。そんな巨匠が自らの持てる技術全てを詰め込んで作り上げた超傑作が『ウエスタン』だ。
冒頭「いかにも!」な三人組を登場させ、ひたすら説明がないまま実に10分以上観客を引っ張り続ける。緊張がピークに達した瞬間、満を持してブロンソンが登場しもはや様式美ともいえるほどのガンさばきで三人組を撃ち殺す。マカロニ好き、レオーネ好きならこの冒頭だけで完全にノックアウトである。
そこからも癖のあるキャラクターがガンガン登場し、ストーリーの全貌がわからないまま観客をグイグイ引き込んでいく。そしてストーリーの全貌が見えてきたところでラストの決闘である。
そして全ての決着がついた後、ロングショト&長回しで主人公とシャインの去り際を哀愁たっぷりに描き上げる。多くの人がこれをレオーネにとってマカロニウエスタン、西部劇との「決別」であると語っているが、私にもそうとしか思えなかった。
しかし残念ながらこの作品、公開当初は失敗作と罵られたそうだ。恐らくレオーネといえば『ドル箱三部作』が有名すぎて同じテイストを期待されたのだろう。似たような要素は多いが『ドル箱三部作』と『ウエスタン』は確かに違う。
『ドル箱三部作』の主人公達(達といっても全員イーストウッドだが)が己の掟にのみ従順なアンチヒーローなら本作の主人公はどちらかというと正統派西部劇のヒーローに近いように感じる。そういう意味では『ウエスタン』は正統派マカロニウエスタンというよりも正統派西部劇に近い作品かもしれない。『ドル箱三部作』を期待した観客からは期待はずれと称されても仕方が無いだろう。
レオーネ映画で忘れてはならないエンリオモリコーネの素晴らしい音楽も健在であり曲数こそ少ないが全てが名曲といえるほどの完成度である。私は特にハーモニカが哀愁漂う『復讐のバラード』がお気に入りだ。
マカロニウエスタンというジャンルを完成させたレオーネが自ら幕引きを勤めた『ウエスタン』は文句なしの名作である!万難を排して観るべし!!
え!?タイトルの土下座はなんでかって?
……この映画のDVD、今から8年位前に買ってそのまま放置してたからです(笑)
なんでそこまで放置してたかって、この映画ものすごく長いじゃないですか。なかなか腰が上がらなかったというか、タイミングを逃していたというか……。
そういった意味でセルジオレオーネに土下座です。
こんな名作をここまで放置して本当にすみませんでした!
でも本当にこの映画長いんです!
映画『ゾンビ・クエスト』
『ショーンオブザデッド』以降急増したゾンビコメディ映画の一本です。
『ショーンオブザデッド』以降、ボンクラ主人公がゾンビアポカリプスに遭遇して人間的に成長してヒーローに!って映画増えたような気がするんですけど、いかんせん低予算な映画が多いのも事実でして、内容は推して図るべしな作品が多いです。
そしてこの『ゾンビ・クエスト』もそういった一本。
面白くなる要素や好きな要素もあるんだけどいかんせんギャグが寒い。唐突に挿入されるゲームアニメ調の演出も完全にすべってるもんなー。
面白かったのは面白黒人枠のデブがゾンビになりかけて涙ながらにトドメをさそうとするんだけど、なかなか死ななくて何度も鈍器で殴って「いい加減に殺してくれ……」ってつぶやくところくらいでしょーか。
あと緑色の体液に接触したらゾンビになるって設定なのにゾンビ殺すときに体液浴びまくりな主人公達。
それでいいのか。
中盤、ホームセンターでお手製の武器を作るところとか『デッドライジング』や『デッドアイランド』っぽくてよかったんだけどなー。
残念ながら全部中途半端で微妙でした。
【追記】
と思ったら、これも配給アルバトロスやん!
突っ込むこと自体が野暮な映画でした。
映画『シャークネード』
まあ、タイトルだけである程度の需要が見込める映画なので特に語ることもなし。
さらに日本での配給がアルバトロスな時点で99%くらい日本市場では勝利したも同然だ。
こういう映画に感想とか色々書くのもあれなのでとくには書きませんが、こういう映画がちゃんと配給される日本はまだまだ捨てたものではないと希望が持てた。
ちなみに一人で見るのはかなり苦痛を伴うのでこういうの好きな友人と一緒に飯でも食いながら観るか、ニコニコ動画みたいなサービスを利用して視聴するのがベストだろう。
チャンチャン。